酩酊 五月雨 きみ 魚

「自称異常」な女と「自称正常」な女。

「東京で配られていたガールズバーのポケットティッシュ」

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長きに渡り、自問自答を繰り返し、時には悩み、時には考えることすら忘れ無我夢中で走り、時に笑って、沢山泣いた。


現実とやらを思い知った。

現実は無慈悲だ。
現実に夢や希望や奇跡など無い。
もしあると言うならば、それはもう達成されている事項であり、
夢や希望や奇跡などという言葉では表すことが出来ないただの「事実」「過去」「経験」「運命」、だったんだ。
もし、あると言うならばそれは。
「努力」「執着」「意地」「結果論」。




本当はゆめもきぼうも、
きせきだって、あったらいいなって思う。
でも全ては成るがまま。
悪足掻きをしたって、それは決定事項。

在るがまま。

今ここで踏み止まろうが歩き出そうがその行く末はその時点で、いや、それ以前に、自分の意志とは無関係に決まっている。


なんて、ただの戯言にしか過ぎない。

人は人知を越えられない、
従って嘘と真実も解らない。

結局のところ、「何かを糧にしなければ生きていく意味が見いだせない程に」
此処は、辛くて残酷で、無慈悲な現実だ。



達観しているわけでも、悟りを開いたわけでも、馬鹿にしているわけでも、馬鹿っぽいことを言いたいわけでもない。

踏み躙りたいだけだ。
潰して消してしまいたいだけだ。
自己満足的な欲求。
張り裂けそうなくらいあたしの中の悪魔が叫ぶ。

あたしは、あたしがこうなったことに気づいてしまった。
だから全部破綻した。無くなった。失くなった。亡くなった。破滅。絶滅。消滅。理性という枢が外れたとき、それらは全て崩壊してしまうだろう。

抑えているのが最期の理性。
それでも掻き毟らないと、ねえ、嘆く場もないから、誰かを傷つけなきゃ、誰かの不快感を得なきゃ、誰かに罵倒されていなきゃ、潰れてしまうの。
それはとても矛盾していて、
誰かの不快感や、不安定さ、恨み、辛み、それが自分に向けられているものでなくても全部全部吸収してしまうから、だからそれを埋めるのは安心感や幸福感ではなく、それ以上の苦痛でしかないの。
おかしいよね。
でも分かってくれるとおもう。

分かってくれるよね?
うん、分かってくれなきゃ、おかしい。


世界のことをおかしいと思うとき、「自分が」おかしいだなんて、そんな論理めちゃめちゃだ。
世界にはおかしいことなんて沢山ある。
理解できないことも沢山ある。
それに同意する人が多数を占めていたらそれはおかしくないことなの?
おかしい。その思考がもうおかしい。

あたしはおかしくない。
あたしは至って正常に生きている。
間違うときもあるけれど、怒られたり、それは違うよと言われ、納得すればそれが間違いだったと気づくことが出来る。

どれだけ批判されようが、絶対的に自分が間違っていない、それは他にも多くの賛同者がいるからだ、なんて考え方をしている人の方があたしからすればよっぽどおかしい。

おかしい。おかしいよ。笑っちゃう。



正当化と言う名の自己防衛。
それくらいしか出来ない、あたしをお願いだから消してほしい。

もう人間には疲れた。
夢や希望だけが先を走って、現実を見ようともせず、重い鉛を足に巻き、暗く出口の見えない道をひたすら這って生きていくことに疲れた。

現実は、無慈悲だ。
神様は悪魔で、この世界は地獄だ。

別に死にたいなんて思わない。
でも生きたいとも思っていない。
死ね、とも思わないし。
きみが死にたかろうがあたしが悲しいから。




何でもない。

何の意味も持たない言葉の羅列。
誰に伝えようともしていない。
だから伝わるわけもない。
自分自身と話しているだけだもの。


他愛もない、60分10000円のコース。
オプションは2000円でコスプレ。
ピンクローターは1000円で。

人生なんてそんなもの。

何もかも、腐っていて、穢れていて、悲しくて、欲望に塗れて汚い。



もし、明日太陽が登らなかったら、
もし、宇宙人が地球へ降りてきて地球が占拠されたら、
もし、この瞬間手を繋いでいる人が次の瞬間倒れたら、
もし、憧れの芸能人が家にやってきたら、
もし、いきなりテレビ画面がついてそこから貞子が出てきたら、


想像し得る全ては起こり得る事象であり
「有り得ない」は「有り得ない」。




だからもう、そんな茶番に、些細な一喜一憂に、壊れていく自分に、飽き飽きしている。


だからまた眠るんだ。

「夢」が詰まった自分だけの世界にちっぽけな「希望」を求めて、「奇跡」が起こる瞬間を噛み締めるために。



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